たつきの家ブログ

設計事務所の日暮らし帖

五輪に思うこと

オリンピックが始まり、もうすぐ終わります。その期間中に、開催前の残念な予想通りにコロナ感染者は激増し、首都圏は緊急事態宣言に入りました。

 

「オリンピック選手になりたい」

「あんな風に強くなりたい」

「カッコいい!」

五輪を見て体感して、子ども達は目標を持ち、毎日練習に励むのだと思います。だから五輪は夢の舞台なのです。

今までは。

 

しかし今回思うのは、この1年以上、泣きながら悔しがりながら色んなことを我慢してきて、なお今もたくさんの活動制限の中で必死に生活している子ども達は、何を思っているのでしょうか。五輪を夢の舞台と素直に思うのでしょうか。

若者が…と感染増の一因と言われた10代の未来ある若い世代が、熱気を帯びる五輪の陰で静かに冷めていることに、大人達は気付けているのでしょうか。

 

オリンピックで頑張るアスリートの方々は素晴らしい。オリンピックでなくても、必死に頑張る人の姿は、いつでも美しい。

でも今回コロナ禍でこの国の大人たちは(私も含めてですが)、「仕方ない、県境を越えないで、ステイホーム、我慢してください」としか言わずに、その場をなんとなくやり過ごしてきてはいないでしょうか。本当に必死にがんばれているでしょうか。

 

部やクラブの活動が思うようにできない中、どこかで妥協点を見つけて、低めの出来ることに目標を変更し、その目標ですら挑戦することさえも叶わなかった、負けることをも許されなかった中学生高校生のたくさんの涙と悲しみと寂しさの犠牲の上に、この夏、東京で五輪が行われたこと。

私たち大人がその傷みを当事者の子ども達以上に背負い、思いをはせる責任があると思うのです。

 

挑戦したかったね、もっとやりたかったね、どうにか気持ちをつないで目指していた大会を練習をイベントを、開催してあげられなかったこと、不甲斐なく大変申し訳ない。

 

10代の子ども達がのびのび元気な日本になるには、どうしたら良いのかな…模索の毎日です。